イベントレポート

ビジネスインストラクショナルデザインによる教え方改革 秋物語 2021
成果につながる企業内教育を考える
〜未来に向けて一歩踏み出そう〜

2021年10月29日に「BIDによる教え方改革2021・秋物語」を開催しました。今年で5年目となった物語イベント当日の様子をご紹介します。

はじめに

BIDを活用した実践事例を語り合う「物語イベント」

 

5回目の「物語」は、昨年に引き続き、オンラインで開催しました。今年のテーマは、「成果につながる企業内教育を考える〜未来に向けて一歩踏み出そう〜」です。

 

今回は、100名近くの方にご参加いただきました。皆様の背景も、製薬業、製造業、航空・鉄道・運輸業など、様々な業界からお集まりいただいていました。また、ご参加者の6割近くがビジネスID講座の修了生の方でした。

まず、司会の篠田より、今年、弊社メンバー全員で作成した秋物語のキービジュアルをご紹介し、改めてどのようなイベントかをお伝えしました

 

篠田 今回、改めて「物語とはどんなイベントなのか」を語るキービジュアルを作成しました!
「物語イベント」は、「自社の教育をより良くしたい!」という熱い想いで企業内教育を担う皆様が一堂に会し、BIDの実践事例から、未来に向けて一歩を踏み出すヒントと勇気を見いだしていただく場です。キービジュアルであるリンゴの実は、皆様のBID活用の成果を表しています。
絵の中で、ご発表者様は、赤く熟れたリンゴ(成果)をどのように実らせていったのか、物語(事例)を語っていらっしゃいます。周りで聴いているご参加者様は、すでに成果を出されているかと思いますが、さらなる成果を生み出すために、物語からヒントや気づきを見いだそう!と考えています。そして、我々サンライトヒューマンTDMCは、ご発表者様とご参加者様をおつなぎすることで、皆様の実がもっと大きく育つお手伝いをしたいと思っています。
本日、ご発表いただく事例から、ヒントや気づきを持ち帰り、職場で実践を重ね、未来の大きな成果に結びつけていただけましたら幸いです。

また、今年のテーマである「成果につながる企業内教育を考える〜未来に向けて一歩踏み出そう〜」についてもお話させていただきました。

篠田 今年のテーマを「成果につながる企業内教育を考える」としたのは、現場でのパフォーマンスが上がる企業内教育について、皆様と考えたいと思ったからです。私たちは、現場で受講者が行動変容を起こすこと(パフォーマンスゴールの達成)を企業内教育の成果と考え、受講者が「研修で学んでよかった」と満足するだけにとどまらず、現場でのパフォーマンスを向上させるところにまでこだわっています。
また、副題を「未来に向けて一歩踏み出そう」としたのは、コロナ禍など変わりゆく状況の中で、改めて研修設計を見直して、社員の皆様の成長につなげていける一歩を全員で一緒に踏み出したいと考えたからです。

石津 この1年間はオンラインが常態となりました。その状況で、より質を高めていくための次の一歩を見つけていただきたいと考えています。

 

次に、本イベントを開催するにあたり、弊社森田よりご挨拶させていただきました。

森田 皆様、こんにちは。サンライトヒューマンTDMCの森田と申します。
本日は、イベントにご参加くださいましてありがとうございます。この1〜2年は、コロナ禍で大変な思いをされた方もいらっしゃったでしょう。今回の秋物語もお集まりいただけるか心配をしながら準備を始めたのですが、結果的にはこのようなたくさんの方にご参加いただくことができ、嬉しく思っております。皆様に笑顔になっていただけるように事例をお届けしていきます。
弊社は、2007年に立ち上げて、おかげ様で15年目を迎えました。当時は、こんなに長く続けて、こんなに仲間が増えるようになるとは思っていませんでした。皆様に支えていただき、今日があると心から思っております。そのため、本イベントは勝手ながらの皆様への感謝祭と思って開催しております。

【事例発表】

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社様とアッヴィ合同会社様

 

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社様とアッヴィ合同会社様に、それぞれの物語(事例)をご紹介いただきました。

 

事例1 ノボ ノルディスク ファーマ株式会社様 ゼロベースで取り組んだ新人導入研修の大改革 

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社様には、新人導入研修の大改革を行った事例をご発表いただきました。当時、人事本部 研修部 セールストレーニンググループは、トレーナー4名中3名はトレーナーになりたてでした。そのメンバーの皆様が、ビジネスID講座を受講され、ご自身たちでゴールを設定し、ADDIEを回しながら新人導入研修の大改革を行いました。

→ノボ ノルディスク ファーマ株式会社様 事例

 

事例2 アッヴィ合同会社様 トレーニング部門の価値向上に向けた5年間の取り組み 

アッヴィ合同会社様には、5年間にわたる教育改革の事例をご発表いただきました。教育部門の部門長である嘉瀬井様は、2016年にビジネスID講座を受講され、トレーナーとして「パフォーマンスゴールの達成」、マネージャーとして「トレーナーの支援」、部門長として「他部署の巻き込み」と、3つの改革を推し進めてきました。立場が変わっても、常に「社員の成長のため」という軸をぶらさずに、部門メンバーの皆様とともに取り組んでこられた事例です。

→アッヴィ合同会社様 事例

ご参加者の皆様には、2つの事例から、様々なヒントや気づきを見いだしていただけたようでした。終了後のアンケートには、「こんなことを実践していきたい!」という思いのこもった、とてもたくさんのコメントをいただきました。

 

  • 来年度は現場上長も巻き込んで、ADDIEを教育・現場一体となって回します。説明会を22年3月にゴールセットしました!
  • 入口と出口を大切にする!パフォーマンスゴール、ビジネスゴールから考える!
  • ステークホルダーの巻き込み、トレーナーの育成など、私もマネージャーとして、BIDをベースに強い気持ちで取り組んでいきます。
  • 自社のBID活用にまだまだ向上の余地があると気付きました。何年か後に「第5回の事例に刺激を受け・・・こうなりました!」と成功事例を示すべく、心に火が付きました。
  • 設計や部門の役割について部内で改めて議論しようと思いました。

 

【特別講義】

「自律的な人材を育てるには?」

 

これからの育成を考えるきっかけとして、特別ゲストの千葉工業大学 情報科学部 情報ネットワーク学科 教授 仲林 清先生から、自律的な人材を育てるにあたってのキーワードである「実践と理論の往還」と「自己調整学習」について、お話をいただきました。

仲林先生 自律的な人材を育成するために、「実践と理論の往還」と「自己調整学習」についてご紹介します。
まず、「実践と理論の往還」についてです。皆様は、経験学習モデルについてはご存知かと思います。経験から学習していくには、「経験」、「振り返り(リフレクション)」、「概念化」、「実践」の4つの活動を繰り返す必要があると考えるモデルです。
より学びを促進するためには、この「振り返り」と「概念化」の間のタイミングで「理論」を加えます。経験学習モデルだけでは、自己流のやり方になってしまう可能性がありますが、適切な「理論」を適切なタイミングでインプットすることで、自己流ではなくなり、周りの人にも自信を持って説明できるようになります。

仲林先生 次に「自己調整学習」についてです。自己調整学習とは、学習者自身が自発的に学習を進めていくことで、予見段階、遂行段階、自己内省段階の3段階のサイクルで説明できるといわれています。
学習者が、自分で目標設定や学習の方略を計画し、動機づけを行います(予見段階)。そして、コントロールしながら遂行し、目標に対して足りないところを見つけ出して(遂行段階)、結果が出たら内省を行います(自己内省段階)。
このサイクルの中で重要だといわれているのは、自分の持っている課題に対する感情です。例えば、課題から逃げてしまったり「自分にはできない」と思ってしまったりすることは、防衛的決定につながります。
自分1人では、自己調整の循環モデルを回すことが難しいので適切な支援が必要です。上長の方が、自己調整学習を意識することで自律的な学びを支援するきっかけになるでしょう。また、集合研修やフォーマルな教育では、一方的に教え込むのではなく、いかにして経験とか振り返りを促進させるきっかけを作ってあげられるかも大切なポイントになります。
今後は、自己調整学習という概念も、意識していただけるとよいでしょう。

※自己調整学習については、2021年9月に開催されたHRサミットでもお話いただいています。

仲林先生には、YouTubeでも自己調整学習についてお話しいただく予定です。お楽しみに。

最後に、オンライン上で交流会を開催しました。企業内教育のご担当者の皆様ならではのお悩みややりがいなどについてのお話が盛り上がっているようでした。

来年のBIDによる教え方改革2022「秋物語」は、2022年11月11日(金)開催予定です。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。