コラム

【ワークプレイスラーニングを考える】
第5回 未来に向けてどんな人財を目指すか

企業も人も大きな変化にさらされている時代。その変化に対応するために、自ら学び進化する自律性が求められています。サンライトヒューマンTDMCは、社員が自律性を育むことができる職場環境のデザインを皆さまとともに考えていきます。

先行き不透明な時代の生き方

海外に行くと、交差点の信号があと何秒で青にかわるか教えてくれる信号機に出会うことがある。どんなに急いでいても、先がわかると心が落ち着くものだ。我々が不安と思うのは先が見えないもやもや感があるからだ。今、こんな時代に我々は生きている。

先を予測してあらゆるケースに備えておけば安心なのだろうけど、そんな事は到底できない。だから我々は柔軟に、俊敏に、たまには頭をまっさらにして、未来に寄り添って試行錯誤を繰り返してみる。たとえ思うようにいかなかったとしても、くじけずに、何が大事だったかを学び問いかけながら、自分のものにして生きていく。そんな人財であれば不安を乗り越えながら未来に向けて進んでいけるのではないだろうか。

さて、あなたの企業(組織)では、どんなスキルや能力を持つ人財像が求められているだろうか。

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未来人材ビジョン「問題発見力」の本質

経済産業省の未来人材会議では、「問題発見力」「的確な予測」「革新性」というスキルや能力が今後求められてくると提言されている。今見えていない課題を可視化し、情報と分析によって予測を立て、新たな価値を創造する力だ。

出典:経済産業省 未来人材ビジョン(令和4年5月), p20

 

では、例えば「問題発見力」について、皆さんはどんなイメージを持つだろうか。研修では、何か問題を定義するフレームがあって、それを纏め上げる事がスキル・能力と捉えられがちではないだろうか。フレームを習得するだけで、本当にあなたの職場の問題は発見できるのだろうか。私は、問題を発見する一連の行動プロセスそのものと捉えた方が良いように思う。

問題を発見するプロセスはこうではないだろうか。そもそも現状に満足せずに、「好奇心」や「批判的思考」を持って学習しようとする意欲(動機)が無ければ問題発見は進まない。「柔軟性」や「創造的」な思考特性を持って、「観察力」や「洞察力」、「分析力」などの能力が無くてはならない。そして、その発見を組織に認知してもらう為に、他人にわかりやすく伝える「コミュニケーション力」も必要である。

経営者が我々に求めるスキルや能力は、行動によってはじめて組織に価値をもたらすものである。「問題発見力」と一言で言っても、学習者の動機、特性、関連する能力が相まって初めて、一つの行動力として認められる能力となるのだ。企業や組織はそんな行動力を今のあなたに、そして未来の人財に求めている。

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あなたの組織に必要な「行動」とは?

さて、あなたの組織、職場で従業員に求められている行動力が見えてきただろうか。「Think Big」、「革新せよ」、「挑戦せよ」、「共感せよ」、「自律型人材」など、企業で掲げている行動指針があるはずだ。これは、経営者が未来を見据えて、あなたにどうなって欲しいのか、思いを込めたもののはずだ。こんなメッセージから、あなたの職場における未来人財像を設定してみてはどうだろうか

 

ワークプレイスラーニング コラムニスト 山道弘信


◀◀【連載 第4回】あなたの職場は「学びの場」になっているか?

 

 

 

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