イベントレポート

2020/7/14 YouTubeライブ 魔法のリモート物語 Vol.2
withコロナ時代の企業教育 【日本航空株式会社様】

サンライトヒューマンTDMCでは、7月14日にインストラクショナルデザインの第一人者である熊本大学大学院 鈴木克明教授と第2回YouTubeライブ「魔法のリモート物語」を開催しました。平日のお昼にもかかわらず100名以上の方にご視聴いただき誠にありがとうございました。前回のライブへのお便りから、「具体例をもっと知りたい」というニーズにお応えし、今回は日本航空株式会社様とテルモ株式会社様の2社の教育のご担当者様にwithコロナでのオンライン教育の実践例を伺いました。 本ページでは日本航空株式会社様の事例をご紹介いたします。

事例紹介

客室乗務員ブラッシュアップ教育のオンライン化

日本航空株式会社様のファーストクラス対応の客室乗務員(CA)のブラッシュアップ教育をオンライン化された事例をご紹介いたします。

オンライン化をディレクションされた岡部有里さんは、昨年の弊社イベントBIDによる教え方改革2019「夏物語」にもご参加いただき、インストラクショナルデザインの考えを取り入れていただいています。岡部さんと一緒に取り組まれたご担当者の皆さんにインタビューをしました。

 

ブラッシュアップ教育とは

日本航空株式会社様のCAは、採用後「国内線」「国際線」「国際線ファーストクラス」とキャリアアップしていきます。それぞれ、「訓練」、「資格取得」、実機での「乗務」、「ブラッシュアップ教育」というステップで教育を受けます。

コロナ禍では、ファーストクラスを設けている大型機が飛行する機会、つまり、国際線ファーストクラスのCAが乗務する機会が減りました。乗務の機会喪失を補うためにも、オンライン化することで予定通りにブラッシュアップ教育を行うことになったのです。

 

オンライン版ブラッシュアップ教育

通常であれば、モックアップ(動かないシミュレーター)に集合して行われるブラッシュアップ教育ですが、約2週間の準備期間でオンライン化されたそうです。

開始当初はファシリテーターも受講者も自宅から参加していましたが、6月からはメインファシリテーターのみモックアップから訓練を届けました。

研修の流れは、マネージャーから心構えなどの「講話」を受けてから、NY線をイメージして、「事前準備ワーク」をします。その後、日本語と英語対応に分けて「ロールプレイ」を行います。さらに、受講者は実機で気をつけるポイントをまとめた「チャレンジシート」を現場の上長に送り、その後に繋げていきます。

 

受講者からは、

  • モックアップでの研修よりもZoomによる研修の方が、「自分や仲間の表情を確認できる」
  • 「マネージャーから1対1でフィードバックを受けているようで、お得感がある」

といったポジティブな声が寄せられたそうです。

 

ご準備の舞台裏

実質2週間程の準備期間で実現されたオンライン版ブラッシュアップ教育。ディレクションを担当された岡部さんは、「こういう風にやったらいいのではないか」という「意見出し」からスタートし、「試作」を考えた上で、受講者に近い視点を持つ先輩CAさんに「こういうふうにやろうと思うんだけどどうかな」と意見もいただきながら「トライアル評価」をし、「改善」をして実施されたそうです。

岡部さんは今回の取組のポイントを以下のようにお話されています。

BIDの視点で振り返る

ID専門家 鈴木先生からのアドバイス

鈴木克明先生(熊本大学大学院教授・専攻長)からは、以下のフィードバックがありました。

これだけ非常事態への対応ができれば素晴らしいですね。ただ、OJTの後に「ブラッシュアップ教育」があるので、アダルトラーニングという意味では「講話」からではなくて、「リフレクション」からスタートする方がよいでしょう。
興味深いのは、対面のモックアップ研修よりオンラインの方が良かった部分があったことです。今後も、モックアップがベストで、オンラインがセカンドと決めつけるのではなく、うまく組み合わせられるとよいですね。

BIDの視点で振り返る

ID実践家 森田の視点

ビジネスの世界のPDCAサイクルのように、インストラクショナルデザインの世界ではADDIEモデルがあります。この事例は、短期間でトライ&エラーでスピーディーにADDIEモデルを回されたのがポイントだと思います。Rapidモデル、昨今ではアジャイルとも言いますが、これだけ大きな組織の中で、短い期間で様々な人の意見を聞きながらより良くして行けるのは、素晴らしいですね。

 

ネクストステップとしては、ファーストクラス担当だからこそ持ち合わせていないといけないチェックリストやコンピテンシーを整えたり、これから整備したりすることもあると思います。そういったものがもっと見える化されると現場でのパフォーマンス評価(レベル3)ができ、より業績やお客様満足度のレベル4評価に繋げていけると思います。全体設計およびインストラクショナルデザインという考え方をさらに学んで継続していただけたらと思います。

あとがき

インストラクショナルデザインの考え方を取り入れることで見えるもの

事例をご提供いただきました日本航空株式会社様、ありがとうございました。

先輩方が試行錯誤しながら築いてこられた「ブラッシュアップ教育」をベースに、岡部さんはじめこの研修に携わった皆さまがインストラクショナルデザインの考え方を取り入れられたことで、オンラインならではのメリット等、新たな気づきを見出されたのではないでしょうか?

次回事例をお届けできるのは10月30日(金)開催のBIDによる教え方改革2020「秋物語」になります。
皆さまの学びのヒントになる事例をお届けしたいと思いますので、お楽しみに。


2020/7/14 YouTubeライブ 魔法のリモート物語 Vol.2【テルモ株式会社様 事例】