用語解説

アダルトラーニングとは

従来型の人材教育を行い、「社員をうまく育てられない」といった悩みを抱えている企業は多くあります。なぜ、うまく育成することができないのでしょうか? その理由の1つに、教育の対象が大人であるにもかかわらず、子どもの教育理論に基づいて知識付与型のカリキュラムが組まれていることが挙げられます。 学校教育(子どもの学び)と比較をしながら、企業内教育(大人の学び)について理解することが必要です。

アダルトラーニングの特徴

大人には大人のための学び、「アダルトラーニング」という教育理論があります。
大人の教育の大前提を確認してみましょう。

  1. 学ぶ必要性を理解しないと学ばない
  2. これまでの人生経験がある
  3. 実践的な話し合いの中で、より深く学ぶ
  4. 実利的で役立つものに興味がある

こういった特徴のある大人に対して知識付与型の子どもの教育を行えば、ミスマッチが起きてしまいます。

子どもの学び「ペタゴジー」と大人の学び「アンドラゴジー(アダルトラーニング)」

  • 子どもの学び「ペタゴジー」と大人の学び「アンドラゴジー(アダルトラーニング)」の違い

    子どもの学び「ペタゴジー」と大人の学び「アンドラゴジー(アダルトラーニング)」の違い

大人の教育の大前提を理解していただいたところで、子どもの学び「ペタゴジー」と大人の学び「アンドラゴジー(アダルトラーニング)」の違いを整理していきましょう。

学校教育は、「学び」がゴールであるのに対し、企業内教育は行動を変容させ、会社の「業績向上」に結びつけることがゴールです。学んで終わりの人材を企業は必要とはしていません。学んだことを活かし、アクションにつなげることが何よりも重視されます。

また、学校教育は教科の「知識」の習得が重要視されますが、企業内教育は課題や問題に対応する力、つまり「実利」の視点が欠かせません。どれだけ豊富な知識を有していても、現場でその知識を活用できなければ、あまり意味がないのです。

さらに、学校教育は、いつか役立つであろうことを学ぶ「Just in case」でよしとされていますが、企業内教育は目の前の仕事に役立つことをタイムリーに学ぶ「Just in time」が求められます。

教育担当者に求められる発想の切り替え

私たちは、小学校、中学校、高校、大学とずっと学校教育を受けてきたため、学校教育での学びの特徴が染みついています。

教育担当者は、まず自分たちが受けてきた教育が、子どもの学び「ペタゴジー」に当たるものであったことを認識しましょう。発想を切り替え、企業の人材教育を大人の学び「アンドラゴジー(アダルトラーニング)」としなければ、受動的な人材を育てる結果となりかねません。

研修自体を目的とせず、「研修で学んだことを研修が終わった後の行動にどう活かすか(どう実利に結びつけるのか)」を意識した上で、学びをデザインしていかなければいけないといえるでしょう。