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サンライトヒューマンTDMC代表の森田 晃子です。
前回に引き続き、アダルトラーニングに最適な「3つのIDモデル」とは何かを見ていきます。今回は、3つのIDモデルのうちのひとつ、「経験学習モデル」について説明します。
前回の続きです。
③経験学習モデル
経験学習モデルは、デービッド・コルブが提唱した「経験から学習していくには、4つの活動を繰り返す必要がある」と考えるモデルです(以下の図表を参照)。
4つの活動とは、
ことです。
[図表]経験学習モデル
普段現場で後回しにしている「省察(リフレクション)の場」を用意できるのが研修です。ベテランになるまでに、実践と経験の間であたふたするのは当然のことです。研修で振り返る場を与えて概念化してもらうことができます。
概念化とは、気づきをマイセオリーとして腹落ちさせる、自分の中で一般化することと言い換えることができます。例えば、課題に直面した際に、上司から「いつもやっていることと変わらないよ」と言われるのは、概念化ができていないということ。概念化して腹落ちすることで、以前の経験を応用し、再現ができるようになります。
実践は、マイセオリーに基づいた自分のアクションプランを作り、そして、タイミングがきた時にそのアクションプランを実践してみることです。
※経験学習モデルについては、こちらの記事でもご説明しています。
自分で概念化ができなければ、「こういうことじゃないの?」と気づきを与えてサポートする。そして、現場で実践を繰り返し、その癖づけをしていくことがコーチングです。
私は、企業内教育のベースは経験学習モデルにあると考えています。この経験学習モデルを自分で回せるようになることが、「自ら学び、自ら考え、自ら行動する人材」になれているということです。そうなれば、どんどん成長曲線が右肩上がりになっていきます。
また、直属上司も部下の経験学習モデルがうまく回るように適切なタイミングで問いかけ、支援していくことが望ましいです(OJT時は経験学習モデルを回す絶好の機会です)。
この他にも、インストラクショナルデザインにおける理論モデルはたくさんあります。それについては、鈴木克明監修 市川尚・根本淳子編著『インストラクショナルデザインの道具箱101』(北大路書房)にわかりやすくまとめられていますので、ぜひご覧ください。
教育は、これまでは経験に基づいたものであると考えられてきましたが、これからは見える化をして戦略的に考えていかなければなりません。しっかりと明文化できれば、良い教育だったかどうかのエビデンスを残すことができますし、“再現性”を持たせることもできます。
さまざまな理論モデルを利用するメリットは、どうしてうまくいったのかを説明できることと、繰り返し安定した成果を出し続けられることでもあるのです。これが「教育を科学」するということだと考えています。
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