用語解説

HPI(Human Performance improvement)とは

HPIは、ヒューマンパフォーマンスインプルーブメントの略で、組織課題解決を人材の視点からとらえる考え方です。 人材のあるべき姿と現状のパフォーマンスギャップを洗い出し(ビジネス分析、パフォーマンス分析)、根本的な原因分析を行い、現状とのGapを埋める適切な介入策を検討・選択・実行し(介入策の選択・実施)、実行結果を評価測定するシステム的アプローチです。

1

成果に結び付ける

HPIは、まず「ビジネスゴール」(業績)を明確にするところから始まります。

次に、「ビジネスゴール」を達成するための「パフォーマンスゴール」を設定します。現状(現在地)のパフォーマンス状況を分析し、期待されるパフォーマンスと現状のGapを明らかにすることで問題解決をしていくのです。

※ビジネスゴールやパフォーマンスゴールについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。

 

 

2

個人の問題、組織の問題

人材の視点からとらえると、Gapを解消していくソリューションとして、多くの方々が「トレーニング」を挙げられます。人材のパフォーマンスにGapが生じているわけですから一見当たり前のように思えます。

ところが、実際にはそう単純ではありません。自分自身のことや所属している会社や組織を思い返してみてください。

仕事上でパフォーマンスを現状より向上させようとしたとき、どんな障害が存在するでしょうか。予算、業務プロセス、承認フロー、上司、モチベーション、知識、スキル、情報共有、評価制度などなど様々な事柄がパフォーマンスに影響を与えていると思うのではないでしょうか。

「組織構造・制度・システム」や「インフラ・備品・ツール」、「知識・スキル」、「資質・パーソナリティ」などの課題が存在する場合(多くの場合どの企業にも多かれ少なかれ存在します)、人材に対して、顕在化している問題を解決するトレーニングの実施だけでは、パフォーマンス向上の真の課題解決にはなりません。なぜか? それは個人が存在する環境面の改善や支援が必要ということです。

HPIではパフォーマンスの問題のうち約8割は組織の問題であるとも言われています。

パフォーマンスの問題は、組織と個人のどちらに?

社員のパフォーマンスを向上させるために必要なことは、以下の7つのカテゴリーに分類することができます。

  1. 組織構造・制度・システム
  2. インフラ・備品・ツール
  3. 外的な動機づけ
  4. コーチング・メンタリング
  5. 知識・スキル
  6. 資質・パーソナリティ
  7. その他

これらの中で、トレーニングで養うことが可能なのは、④コーチング・メンタリングと⑤知識・スキルと⑥資質・パーソナリティが主だといわれています。ただし、④コーチング・メンタリングについては、マネジメントの仕組みの見直しなどが、⑥資質・パーソナリティについては、採用基準の見直しの方が優先順位が高い場合が多いです。

パフォーマンス向上のためには、トレーニングで養える④~⑥に加えて、①~③の施策も考え総合的に検討していくことが必要になります。

IDは研修や教育を実施することを前提とした考え方である一方、HPIはトレーニングありきでなく、様々な介入策(課題解決策)を検討します。一般的に言われているトレーニング以外の介入策を行うためには、人事、人材開発に関する幅広い知識やスキルが必要となってきます。

そこでもう少し、冒頭で説明させていただいたHPIの概念を分かりやすく言い換えてみます。

HPIとは「人が関わって発生するパフォーマンスのギャップを明確にして解決することでビジネスゴール(組織の目標)を達成させる体系的なアプローチ方法」です。

 

3

HPIをどのように活かすか

人材の重要性

組織はどの課題においても(それが一般的にいうハード面でもソフト面でも)、人が関わっているといます。つまり、課題が「組織構造・制度・システム」に分類されるものでも、「インフラ・備品・ツール」に分類されるものでも、それらに変化を加えようとする際の意思決定プロセスはすべて人の知識・スキルや思考に左右されるということです。

したがって、人が組織の課題を適切に解決するときや、より一層の改善策を打ち出して実行するときには、そこには必ず人的な質といったことが関与していきます。

結局のところ、中期的視点に立ち人材を育成することが、将来の組織の問題も個人の問題も解決に導くことになるということなのです。

HPIの概念の重要性

HPIという概念で、「組織の課題がどこにあるのか」を「人材の視点」からとらえることで、今行っているトレーニングが将来どのような課題を解決することに結び付き、業績に繋がっていくのかを見通すことができます。

一度、このような観点をもって自分自身のパフォーマンスを振り返ってみるとよいかもしれません。業績に結び付く人材育成は一筋縄ではいきませんが、HPIという立ち戻ることができる幹があれば、人材育成を「軸」をもって行うことができるのではないでしょうか。

4

BIDとは

ID(インストラクショナルデザイン)は、戦略的に研修効果を高めるための教育設計の理論です。しかし、ビジネスの世界では、研修設計が完璧であっても、成果につなげるためにもう少し踏み込む必要があります。そこで、HPIやPMといった概念が必要になってくるのです。

私たちは、IDにHPIとPMを加えた独自のメソッドBIDを用いて、行動変容につながる仕組みづくり、ヒトづくり、モノづくりをご支援しています。