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ガニェの9教授事象とは、「インストラクショナルデザイン理論の父」と言われる学習心理学者のロバート・M・ガニェが提唱した学習支援モデルです。
授業や教材を構成する指導過程を、学びを支援する為の外側からの働きかけ(外的条件)と捉え、9つの働きかけを提案しています。
ガニェの9教授事象は、脳内で情報が処理され、長期記憶として蓄積され、それが知識として引き出されていくプロセスに沿った教え方をすることで、学びの効果を高める学習支援設計です。
9教授事象は、導入・情報提示・学習活動・まとめの4つのステップに大きく整理できます。
新たな知識を長期記憶として蓄積させるには、既に長期記憶として蓄積されている記憶との関連付けが重要です。そのため、Step1では脳に新たな知識をインプットする場所を、ウォーミングアップさせるのがポイントです。
まずは学習者の注意を引き(事象1)、次に何が身につくのかという目標を知らせ(事象2)、必要な前提条件や今まで持っている知識を思い出させます(事象3)。
【例】
ウォーミングアップされた脳に、いよいよ新しい情報を提示するのがStep2です。新しい事柄を提示し(事象4)、記憶に組み込みます(事象5)。
そしてStep2で記憶に組み込まれたものを「引き出す」、つまりアウトプットの道筋をつけるのがStep3です。
最後のまとめのStep4では、新たにインプットされた知識がしっかりと長期記憶に蓄積されるよう、出来具合を確かめ(事象8)、学んだことを忘れないようにします(事象9)。
皆さんが担当されている研修では、ここでご紹介させていただいた9つの働きかけがされているでしょうか?1日の研修の中でいくつかの新しい知識を扱う場合は、事象4~7を何度も繰り返す構成になります。4、5で記憶に組み込み、6、
既存の研修をガニェの9教授事象に沿って分析してみると、改善のポイントが見えてくるかもしれません。
「ガニェの9教授事象」にご興味を持たれた方
「ガニェの9教授事象」などの理論を知ることは、企業内教育をデザインする際の武器になります。
しかし、「わかる(知る)」と「できる(使いこなせる)」の間には大きな壁があります。
「わかる」から「できる」へ大きな一歩を歩み出しませんか?
講座で学ぶ・書籍で学ぶ・個別に相談する方法をご紹介しています。
ビジネスインストラクショナルデザイン
理想と現状のギャップを埋め、成果創出を導く企業内教育をデザインすること。
それが、サンライトヒューマンTDMCのビジネスインストラクショナルデザイン(BID)です。
ガニェの9教授事象は、脳の仕組みに沿って分かりやすく教えるフレームになっているため、基礎的な知識を効果的に教えたり、限られた期間に一定の知識レベルまで引き上げることが求められている場合に非常に有効です。
新人向けの導入研修で、業界に関する基礎知識や製品知識等、業務を遂行する上で基礎となる知識を習得させたり、新商品に関する知識を営業担当全員に、限られた期間で身に着けさせる場合等に参考にしていただくのがおすすめです。
その反面、9つのステップで丁寧に設計し過ぎると、ビジネスの世界で求められる自ら考え学ぶ力を養う妨げになってしまう側面もあります。
経験者やマネジメント層を対象とした研修であれば、ガニェの9事象で設計可能な内容は、eラーニング化する等して事前学習してもらい、研修当日は、より応用的な内容にするメリルのID第一原理を活用したブレンドを検討いただくのも良いかもしれません。
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