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企業の生産性向上のために実施されているOJT。しかし、事業が高度化かつ複雑化した現在においては、従来の受講者が受け身のOJTでは思うような成果があげられなくなりつつあります。OJTをより有効に機能させ、生産性を向上させるにはどうしたらよいのでしょうか。
企業経営において、生産性の向上を必須と捉える経営者の方が多いと思います。そのために、各企業において人財開発を行ってきました。
これまで多くの日本企業では、直属の上司が業務を通して部下に知識や技術を伝えるOJTにて、効果をあげてきました。特に、終身雇用、年功序列が制度として確立されていた日本において、OJT指導者が初級者を教える形は理想的であったと言えるでしょう。
しかし、現在の事業は高度化かつ複雑化し、従来のOJTでは様々な課題に十分な対応ができない時代になっています。個人や組織が持つ知識やノウハウなどの過去の経験が役に立たないケースが増加したことや、上司が部下よりも専門性の高い知識やノウハウを持っているとは限らなくなったことがその理由です。
こうして、上司が部下に知識や技術を伝承する、部下にとって受け身とも言える指導法である従来のOJTは、今の時代やニーズに当てはまらない過去のものとなりつつあります。
「いいえ、生産現場や営業職などでは、今でもOJTが十分機能しています」と言われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本当に現在の成長速度のままで良いのでしょうか。生産性を向上するには、より速い成長、あるいは、より効率的な成長を求めているのではないでしょうか。
経済産業省の「労働生産性の向上に向けた人材育成の取組と課題(経済産業省白書)」※1 では、日常業務における人材育成の取組(OJT)について、95.0%の企業が何らかのOJTの取組を行っていると報告しています。
加えて、OJTの「成果があがっていない」または「あまり成果があがっていない」と回答した企業の合計は48.1%であり、約半数は課題があることを示しています。つまり、ほぼすべての企業がOJTでの人材育成を行っているものの、その半数は課題を抱えているのが現状です。
※1 経済産業省 2018年版ものづくり白書 第1部 ものづくり基盤技術の現状と課題 第2章 ものづくり人材の確保と育成 第1節 労働生産性の向上に向けた人材育成の取組と課題
現在、OJTによる人財育成の課題を解決するために、ワークプレイスラーニング※2の考えが注目されています。(ワークプレイスラーニングについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。)
OJT による成果を効率的に上げたい、ワークプレイスラーニングは実際にどうすればいいのか、などのお悩みがありましたら、ぜひご相談ください。
※2 個人や組織の成長を実現する目的で実施される学習とその他の介入の統合的な方法。Rothwell&Sredl 2000の定義「個人や組織のパフォーマンスを向上する」を読み替え。
元教育部長ハヤカワ
早川 勝夫
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