魔法の人材教育

社員を「自ら考えて育つ人材」に…
「インストラクショナルデザイン(ID)」とは?
【連載 第17回】集合研修の効果をアップする「反転学習」とは?

サンライトヒューマンTDMC代表の森田 晃子です。 前回は、「ワークプレイスラーニング」という考え方を紹介しました。今回は、集合研修の効果をアップする「反転学習」について説明します。

森田 晃子(2019)『改訂版 魔法の人材教育』幻冬舎

従来の集合研修と、個人学習とを入れ替えた授業方式

企業人は多忙なので、集合研修の時間は貴重です。その集合研修をより効果的、効率的に過ごすという意味で、反転学習の考え方が非常に役に立ちます。

●反転学習

オンラインなどによる事前インプットを活用し、従来の集合研修と個人学習とを入れ替えた授業方式(以下の図表参照)。

[図表]反転学習の図解

従来の研修では「講義を受けること」が主流でしたが、反転学習では「講義を受けること」は研修の前に行う事前課題となります。講師はインプットのための講義や書籍などを用意し、それを参加者が宿題として事前に閲覧しておきます。

研修時間は、参加者が予習で得た知識を応用して問題を解いたり、議論を行ったりしていきます。人が対面で集まるからこそできること、他者との対話などからの気づきを促すのです。研修時間内の講義時間を減らすことで、研修中は講師が参加者一人ひとりに対して、よりきめ細かい対応をすることができるのです。また、参加者にとっても、自分のペースでインプットに取り組めるというメリットがあります。

反転学習の成立には「ひとりで学ぶ力」が必要

反転学習とは、ひとことでいえば、「インプットの前出し」です。今までの人材教育は、学校教育の延長であり、集合研修の場でインプットをするという発想でした。対して、反転学習とは、動画や本などでインプットを前出しし、集合研修当日はインプットを済ませてきた状態でワークからスタートするというものです。

インプットにかかる時間は各人で異なりますし、自分のタイミングで学ぶことができるので、その方が効果的かつ効率的です。

ただし、この反転学習を成立させるには、企業人のひとりで学ぶ力(オンラインで学ぶコンピテンシー)が必要とされます。デジタル・ネイティブな若者であれば、ある程度できるでしょうが、そうでなければオンラインで効果的に学ぶためのオリエンテーションを別で組む必要があるでしょう。