コンサルティング事例

農水省の「普及指導員」育成に学ぶ!
企業の育成再設計を成功させる3視点

「研修しても変わらない」「現場で人が育たない」

このような声に心当たりはありませんか?
本記事では、農林水産省の「普及指導員」育成の取り組みにヒントを得て、企業における人財育成の再設計を成功させるための3つの視点を解説します。
小手先ではない、“人が育つ仕組み”の本質に立ち返る機会として、ぜひご一読ください。

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農水省の事例:普及指導員の育成

先日、農林水産省農産局技術普及課の皆様と、農業現場で活動する「普及指導員」の育成についてディスカッションする機会がありました。

主な課題は、退職者の増加に伴う若手職員の増加やジョブローテーションのために一定期間での異動が必要となることを踏まえ、経験の少ない普及事業員の資質向上や早期育成のための対策が必要、といった内容でした。

こうした課題は、企業の人財育成にも当てはまる部分が多いのではないでしょうか。

※「普及指導員」とは、農業の専門的技術・知識を有し、国家資格を持つ都道府県職員。直接農業者に接して、農業に関する技術および経営の指導を核として現場での農政課題解決を総合的に支援する。
(詳細はこちらのページを参照)

2

「現場」からの切実な声

私たちは日々、企業の育成担当者の皆様と仕事をさせていただいていますが、特に製造や営業の現場など、会社としての価値創出に直接関わる「現場」の人財育成に関するお悩みが多く寄せられます。

  • 現場の育成は本当に機能しているか?
    ~研修体系はあるが、現場では活用されていない
  • 若手の成長実感につながっているか?
    目指す姿や育成プログラムが時代に合っていない
  • 育成施策が業務や成果と結びついているか?
    1on1やロールプレイを実施しているが効果が見えない

このようなお悩みは、企業でも公的機関でも共通しています。

3

育成再設計の3つの視点 ~ LPD、BID、WPLデザイン

ビジネス環境が変化する中、従来の育成の仕組みが機能しなくなりつつあります。
皆さんも、「分かってはいるけれど、どこから手をつければ?」と悩まれているのではないでしょうか。
そこには、どう変えればいいのか?という迷いや、“これまでのやり方”を変えることへの関係者の抵抗など、おいそれと改革に着手できない様々な組織事情があるのだと思います。

一方で、変化を待っているだけでは何も変わりません。育成の課題を明確にし、未来に向けた再設計に踏み出す必要があります
「育成を見直す」といっても、研修や1on1を増やすだけでは根本的な解決にはなりません。まずは土台となる育成の設計を見直すことが重要なのです。

そこでお勧めするのが、3つの視点(ラーニングプロセスデザイン、ビジネスインストラクショナルデザイン、ワークプレイスラーニング)です。

ラーニングプロセスデザイン

組織の未来像を見据え、成果につながる「学習と成長」のプロセスを全体設計します。

農水省の事例に当てはめると?
普及事業を通じた各地域への価値提供を前提とした、普及指導員共通の育成ゴールや教育プログラムのデザインと、各地域特性に応じた職場学習のデザインの両方が該当します。

 

ビジネスインストラクショナルデザイン

必要な研修やeラーニング等の教育プログラムや教育以外の方略をデザインします。

  • ビジネスゴールとパフォーマンスゴールの具体化
  • 育成の3レイヤーのゴールと方略の設計
    (ビジネスゴール・パフォーマンスゴール・トレーニングゴール)
  • キャリアと成長パスの可視化

農水省の事例に当てはめると?
普及指導員の育成では、農業者支援の役割を整理して短~長期で目指すパフォーマンスを明確化する、指導員の能力向上や地域課題解決に直結する研修を設計する、などが該当します。

 

ワークプレイスラーニングデザイン

職場での学びの機会を設計し、現場での成長を支援します。ここでは各職場の個性をしっかりと見ます。

  • 業務中の学習機会の設計(OJT、メンタリングなど)
  • 職場での学びの共有・ナレッジの内製化
  • 地域や現場に即した育成アプローチの導入

農水省の事例に当てはめると?
普及指導員の育成では、フィールドワーク型OJTを導入して現場活動中に学べる環境を整える、定期的な事例共有会を実施して指導員同士のナレッジを蓄積する、地域の農業課題に即したケーススタディを活用する、などに該当します。

 

こうした3つの視点を取り入れることで、「研修しても何も変わらない」「1on1が機能しない」といった問題を根本から解決することができるのです。

※3つの視点の詳細はこちらのページも参照ください

4

今こそ行動を!

「育成を見直すべき」と感じたら、まずは社内で課題を共有することから始めてみましょう。

私たちは、貴社の育成の再設計をお手伝いします。
育成に関するデザインと運用のプロとして、育成の課題整理から戦略的な再設計まで幅広く対応いたします。
お気軽にお問い合わせください。

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