コラム

【ワークプレイスラーニングを考える】
第3回 成長実感は未来につながるか

企業も人も大きな変化にさらされている時代。その変化に対応するために、自ら学び進化する自律性が求められています。サンライトヒューマンTDMCは、社員が自律性を育むことができる職場環境のデザインを皆さまとともに考えていきます。

自分の成長を感じる時はどんな時?

「自分の成長を感じる時はどんな時?」

ある企業の従業員数名に聞いてみた。

入社7年の31歳の若者は、「周囲の仲間から評価され、新たに組織に貢献できた時だ」と言う。中途入社した40歳の中堅社員に聞いてみた。「自分の思いが伝わり、後輩が一人前に育ってくれた時だ」と言う。
二人とも目を輝かせて答えてくれた。

成長には、人それぞれ様々な対象と尺度があるが、「実践の中から生まれた経験を通して、新たに組織への貢献を自覚できる喜び=成長実感」を語ってくれたように思う。

従業員と組織(企業)の関係が希薄な日本

一方、世界の中では、日本の企業に勤める従業員のエンゲージメントはすこぶる低い※1という。

エンゲージメントとは「絆」や「愛着」を示す言葉。調査では、「仕事と職場での従業員の関与と熱狂」をエンゲージメントとして定義しているが、この結果は、従業員と組織(企業)の関係が非常に希薄であるということに他ならない。

果たして職場や組織(会社)は、従業員それぞれの思いを受け止められているのだろうか?
成長実感を得たいという個人の思いは伝わっているのだろうか?
いや、先の例は特殊なサンプルなのであろうか?

※1 米調査会社ギャラップの2022調査によると、「仕事と職場での従業員の関与と熱狂」を表すエンゲージメント指標は、対象129ヶ国中128位。

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エンゲージメントが低い原因

最近の若者は成長に対する意識が高いという。

自分らしく働けて、仕事に価値を見出し、主体的なキャリア形成を目指す価値観を身に付けていると言われる。また高齢者世代においても、リスキリングや変化対応力が求められる時代となり、つまりは、「未来」を見据えた上での、組織と従業員の対話、環境整備が進んでいないことが、エンゲージメントが低い原因となっているのではないだろうか。

日本生産性本部は、「未来会議」において、エンゲージメントを『個人と組織の成長の方向性が連動していて、たがいに貢献し合える関係』と捉えている。まさに、今後目指すべき個人と組織の健全な関係だと思うのである。

4

成長実感に必要なWPLデザイン

あなたの企業は、組織の成長と個人それぞれの成長のベクトルを合わせているだろうか。
そして、従業員が成長を感じるその機会(場)を設定しているだろうか。

ワークプレースラーニングでは、

  1. 組織(職場)のMission、Vision、Valueに沿って、職場における成功、成長とは何かを定義し従業員と共有する。
  2. 実現するために、個人それぞれが獲得すべきコンピタンスを洗い出し、その為の育成や教育の場を与える
  3. その成果を発揮できる職場風土を醸成する。
  4. 個人、及び組織が学びながら内省を促すリーダーシップをデザインし、人事部、育成・教育担当、及び現場の三位一体のマネジメントを実行する。

というステップを通じて、未来の成長に向け、成長を自覚できる場(学習環境)を整えていく。

さて、今、成長を感じる場があなたの職場(組織、企業)にどのくらいあるのか、上司や部下と一緒に振り返ってみてもらえないだろうか。

 

ワークプレイスラーニング コラムニスト 山道弘信

 


◀◀【連載 第2回】人と組織による学びの時代

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