HPIとはHuman Performance improvement

HPIという概念ですが、皆さんはご存知でしょうか?
ヒューマンパフォーマンスインプルーブメントの略で、ATD(Association for Talent Development)が定義づけており、組織課題解決を人材の視点からとらえる考え方です。

人材のあるべき姿と現状のパフォーマンスギャップを洗い出し(ビジネス分析、パフォーマンス分析)、根本的な原因分析を行い、現状とのGapを埋める適切な介入策を検討・選択・実行し(介入策の選択・実施)、実行結果を評価測定するシステム的アプローチです。
組織課題解決を実施するための概念として「組織開発(OD:Organization Development)」は知られていますが、ODは経営的視点から組織の課題を抽出するのに対し、HPIは人材の視点から組織の課題を抽出し、問題解決をしていくフレームワークです。

研修を考える前に必要なことはマクロな視点

成果に結び付ける

HPIは「ビジネスゴール」(業績)を明確にするところから始まります。
ビジネスゴールを達成するために次に「パフォーマンスゴール」を設定します。現状のパフォーマンス状況を分析し、期待されるパフォーマンスと現状のGapを明らかにすることで問題解決を行います。

個人の問題、組織の問題

人材の視点からとらえると、Gapを解消していくソリューションとして、多くの方々が「トレーニング」を挙げられます。
人材のパフォーマンスにGapが生じているわけですから一見当たり前のように思うところです。ところが、実際にはそう単純ではありません。自分自身のことや自分が所属している会社や組織を思い返してみてください。仕事上でパフォーマンスを現状より向上させようとしたとき、どんな障害が存在するでしょう。予算、業務プロセス、承認フロー、上司、モチベーション、知識、スキル、情報共有、評価制度などなど様々な事柄がパフォーマンスに影響を与えていると思うのではないでしょうか。

「組織構造・インフラ」や「資源・業務プロセス」、「人材マネジメント」「モチベーション」などの課題が存在する場合(多くの場合どの企業にも多かれ少なかれ存在します)、パフォーマンスを向上するために、人材に対して、顕在化している問題を解決するトレーニングを実施するだけでは、パフォーマンス向上の真の課題解決にはなりません。なぜか?それは個人が存在する環境面の改善や支援が必要ということです。
HPIではパフォーマンスの問題のうち約8割は組織の問題であるとも言われています。

パフォーマンスの問題は、組織と個人のどちらに?

仕事上で自分のパフォーマンスを向上させるために、何が一番必要だと思いますか?

  • 組織構造・インフラ
  • 資源や業績プロセス
  • 人材マネジメント
  • 知識・スキル
  • 資質
  • モチベーション

では、パフォーマンス向上をしていくには、個人への顕在化した問題を解決するトレーニングは「あまり必要でないのではないか?」といった疑問が生じます。そこでもう少し、冒頭で説明させていただいたHPIの概念を分かりやすく解くと、こういう定義となります。HPIとは「人が関わって発生するパフォーマンスのギャップを明確にして解決することでビジネスゴール(組織の目標)を達成させる体系的なアプローチ方法」です。

IDは研修や教育を実施することを前提とした考え方である一方、HPIは研修ありきでなく、様々な介入策(課題解決策)を検討します。一般的に言われているトレーニング以外の介入策を行うためには、人事、人材開発に関する幅広い知識やスキルが必要となってきます。

HPIをどのように活かすか

人材の重要性

HPIの定義。これは何を意味するか。それは、組織はどの課題においても(それが一般的にいうハード面でもソフト面でも)、人が関わっているということなのです。つまり、課題が「組織構造・インフラ」に分類されるものでも、「資源・業務プロセス」に分類されるものでも、「制度」に関することでも、それらに変化を加えようとする際の意思決定プロセスはすべて人の知識やスキル、思考に左右されるということです。

したがって、人が組織の課題を適切に解決するときや、より一層の改善策を打ち出して実行するときには、そこには必ず人的な質といったことが関与していきます。
結局のところ、中期的視点に立ち人材を育成するといったことが、将来の組織の問題も個人の問題も解決に導くことになるということなのです。

HPIの概念の重要性

HPIという概念で、「組織の課題がどこにあるのか」ということを「人材の視点」からとらえることで、今行っているトレーニングが将来どのような課題を解決することに結び付き、業績に繋がっていくのかを見通すことができます。
一度、このような観点をもって自分自身のパフォーマンスを見ることで、将来を見通すことができるのです。業績に結び付く人材育成は一筋縄ではいきませんが、HPIという立ち戻ることができる幹があれば、人材育成を「軸」をもって行うことができるのではないでしょうか。

私たちは、人は長い年月をかけて組織を創り上げていくといった観点から、企業内人材教育の重要性を認識して、様々な観点からHPIやIDいう考え方を通してサービスを提供しています。

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