イベントレポート

「ラーニングイノベーション2019」
アウトプットから研修をデザインする

2019年5月29〜31日の「ラーニングイノベーション2019」で、インストラクショナルデザインの第一人者である熊本大学 教授システム学研究センター長 鈴木克明氏と弊社代表の森田が「アウトプットから研修をデザインする」というテーマで対談をしました。その内容をダイジェストでご紹介します。

ラーニングイノベーション2019 サンライトヒューマンTDMC代表 森田晃子
サンライトヒューマンTDMC代表 森田晃子
Session 1

インストラクショナルデザイン(ID)とは

森田によるインストラクショナルデザイン(ID)についての説明がなされました。

森田:教育の出口(理想)を考えた上で、入口(現状)を見渡すと、見えてくるGapがあります。そのGapを埋めるために、戦略的に研修をデザインすることがIDです。

ゴールには3つのレイヤーがあります。

  1. 研修における学修目標(トレーニングゴール)
  2. 現場における行動目標(パフォーマンスゴール)
  3. 経営者が見ているビジネス上の目標(ビジネスゴール)

それぞれのステークホルダーが納得できる出口を決めてから、研修をスタートしましょう。

※企業内教育のゴールについてはこちらの記事でもご説明しています。

Session 2

アウトプットから研修をデザインする

続いて、鈴木先生より、「アウトプットから研修をデザインする」ことについて、ご説明いただきました。

鈴木:研修を設計する際に、「何をインプットするか」のみを考える人が多いです。インプットというのは例えば、製品知識を覚えるといったことです。しかし、本質的な研修の目的は、アウトプットができる人を育てることです。

アウトプットとは、

  • お客様に話しかける
  • お客様からの質問に答える
  • 報告書を作る
  • 製品説明をする
  • 新製品を創る

などをイメージするとよいでしょう。

森田:例えば、営業向けの研修は、製品知識をインプットすることをゴールにしてしまっているケースが多いですよね。本来のゴールは、お客様にプレゼンテーションができるなどのアウトプットであるべきです。

鈴木:製品資料を見せながらお客様に説明するのであれば、内容を暗記しても意味がありません。しかし、実際は、お客様からどんな質問をされるかはわかりません。ですから、ロールプレイングなどの研修によって準備をする必要があるのです。アウトプットから逆算して、本当に必要なコンテンツを組み立てないと研修の効果が上がりませんよね。

Session 3

アクティブ・ラーニングは寝かせないためではない

用語が一人歩きしがちな「アクティブ・ラーニング」の本質についても、話題にあがりました。

鈴木:今時、講師が一方的に話すだけの研修ではダメです。対話型で実施することが求められています。アクティブ・ラーニングは、受講者を寝かせないという目的ではなくて、目的を持って能動的に学ぶことができるようになるための方法です。

森田: ただアクティブにすることを目的にしてしまっているケースもありますが、本当は、脳がアクティブになるアウトプット型の研修にしていく必要がありますね。

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